【コラム】場内では走らないでください(中村名人)

夏だぁ〜! 夏と言えば、海にプールにフェスにBBQと楽しいことが一杯!
しかし、今年の夏、日本で、世界で、一番熱い?と噂されているヨーヨーの
世界大会がなんと日本の秋葉原で開催されます。 皆さん準備はいかがでしょうか?!

と言うことで、皆さんこんにちは! そしてお久しぶり?の中村名人です。

僕がヨーヨーを本格的に始めたのが94年、そして初めて参加した世界大会が97年。
今回はその思い出の97年世界大会のお話を少ししようかと思います。

開催地であるアメリカのピッツバーグへの移動は日本から飛行機で16時間 。
日本では当時THP(Team High Performance) の皆と夏のツアーを行っていたので、
ツアーが終わってからメンバーと一緒に開催地へ向かいました。

当時はジャグリング世界大会の中のひとつの部門としてヨーヨーの世界大会が
開催されていて、大学の敷地内に建てられた仮設のテントで、
マスターズクラス(規定トリック部門)とフリースタイル部門が行われました。
僕はエントリーをしていなかったんですが、チームメイトのアレックス・ガルシア、
そしてTHPの代表アレン・ナガオにそそのかされ(笑)、急遽マスターズクラス に
出場することになりました。

突然のエントリー、そして緊張の中いざステージに上がったものの、
いきなり英語の壁に遭遇…。MCからトリック名を言われても、
日本のトリックと 全然名前が違うので何の技だかサッパリわからなかったのです(笑)
さらに、緊張も相まっていつも以上に英語が余り耳に入ってこず…。

しかし、そんな時、観客席にいるTHPのメンバーが助け船を出してくれて、
なんとかトリックを認識し、競技を行う事ができました。
その時に「チームメンバーがいて良かった…」と思ったことを今でも覚えています(笑)

そして競技を終えて緊張の結果発表。
突然MCから「タイブレーク!」のアナウンス。 僕はジェイソン・トレーシー選手と
共にダブルループ対決を行うこととなり、対決の結果、惜しくもキャッチミスで
負けてしまいました。
あぁ〜5位に入賞できなかったか…と 肩を落としていたら、まさかの二位。
なんと5位決定戦だと思っていたダブルループ対決は優勝決定戦だったのです。
こんな事だったらもっと気合を入れてやってたのに…と、またもや言葉の壁に
してやられましたが、なんだかんだの2位。とても良い経験になりました。

1997 Worlds Masters Class トロフィー

さて、マスターズクラスの次の日は、大学の中にあるトラックにて
「ループ・ザ・ループ100m競走」が行われました。
「何だその競争は?」と思いましたが、取りあえず、参加してみました。

参加メンバーを改めて確認してみると、10代のTHP、おっちゃん、お爺ちゃん。
僕は当時20代半ばで運動神経は悪くなかったので「こりゃ〜勝てるぞぉ〜!」
と思いました。(笑) さらにできるだけ徒競走に集中できるよう、ヨーヨーは
スリープをしないよう三重掛けにし、万全の体制に…。
そして、ヨ〜イ・ドン! …功を奏して見事優勝!

1997 Worlds 記念ヨーヨー

次に行ったのはダブルループ100m。 ヨ〜イ・ドン!なんとこちらも一着!!!
ただ、こちらは「ループの数が少ない!」と周りからクレームを受け、
2着だったアレックスが優勝になりました…。(泣)

その他にも、ロケット大会滞空時間の競争もありました。
ヨーヨーが落ちても大丈夫なように芝生の上で開催。
スリープをして指から外して体をのけぞる位、力一杯投げてもそんな時間が
稼げないので、 皆が悪戦苦闘している中、グランドマスターのデール・オリバー氏が
スリープを してからストリングのよりをほどき、オフストのマウントしてから
飛ばすという事をして、見事優勝!
…ただ、僕のダブルループ走と同様、皆からのクレームが出て優勝はお預けに
なっていました(笑)

そんな楽しい思い出のたくさん詰まった、僕のはじめての世界大会から、
かれこれ十数年後の今年。 ついに世界大会が日本にやってきました。

さすがに今回100mは走りませんが(笑)、5日間どんな楽しい日々になるのか今からワクワクしています。
当日は僕もパフォーマンスやティーチングを行います。そして懐かしのTHPの面々も集まりますので、 少しでも、ヨーヨーに興味のある方は是非秋葉原に遊びに来てください。 以上!中村名人でした。